惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

小説家になる方法

いきなりですが小説家になる方法をレクチャーします。 日頃「小説家になりたい」と思いながらも結局小説家になれず嫌々サラリーマンをやっている僕がそんなことをレクチャーしても何の説得力もないどころかむしろ滑稽でさえあるかもしれませんが、自分で言語…

メキシコ旅行記 あとがきに代えて、旅の終わりに。

知らない街で暮らすというのは子ども時代に戻ることに似ているような気がする。 何も知らなかった頃を追体験すること、それが旅行の意義なのかもしれない。考えてみれば、言語がわからない場所に放り込まれる、というのも幼児体験に近いものではないだろうか…

メキシコ旅行記 二十六日目「マジックリアリズム化する大学都市」

木曜日。そして最終日である。 朝食はホテルのビッフェ。いろいろなものを少しずつ食べる。シリアルとフレンチトーストが美味しい。食べ過ぎないように気をつけていたが、値段を見ると千円くらいしたのでもう少し食べておけば良かったと後悔。英語が通じるの…

メキシコ旅行記 二十五日目「メキシコシティへ帰る」

水曜日。徐々に日本時間に慣らすため夜更かししていて朝起きるのが少し辛い。 トランクにいろいろと荷物を積み込んで、いつものカフェにてメキシコ自治大学のスタッフと待ち合わせる。このカフェで食べるのもこれで最後である。 チュレータという豚肉にチリ…

メキシコ旅行記 二十四日目「トウモロコシ畑の海と教会の旗」

火曜日。寝る前にテキーラを飲んだせいか午前五時に目を覚ました。二度寝も出来ずドストエフスキー「白痴」の下巻を読み進める。 朝食にいつものカフェに行くと開店準備がまだできておらずいつもの席に座れなかった。今週に入って徐々に開店準備が遅れている…

メキシコ旅行記 二十三日目「遥か果ての中国」

月曜日。朝から少し寒い。 朝食はいつものカフェにてトルティーヤがチリソースに浸されたものを食べる。皿全体に大量に盛られており食べきれず満腹になる。 研究所にてひたすらプログラムを書く。色々とやることがあったのであっという間に時間が過ぎる。先…

メキシコ旅行記 二十二日目「マンネリ化する日曜」

日曜日。 朝はホテル近くのチェーンのカフェへ二週間振りに来てみた。適当に頼んだらスクランブルエッグになってしまった。それと菓子パンを食す。味は良いがいつものカフェに比べるとボリュームに欠ける。いつものカフェがボリューミーなだけかもしれない。…

メキシコ旅行記 二十一日目「小康する休日」

土曜日。調子が良かったので朝はいつものカフェでスクランブルエッグとチョコレートマフィンを食べる。先輩がプエブラに行くというので昼は独りで食べることになった。 昼まではダラダラとネットサーフィンをして過ごす。エルネストから体調を心配するメール…

メキシコ旅行記 二十日目「クラシック・プロブレム」

金曜日。先に言っておくと、驚くほど何もしていない日だった。 薬を飲んだら差し込む痛みはなくなったが小さな痛みがずっと続いている。カフェにてココアを飲むが、飲んでいたらまたあの痛みが復活する。薬局にて不味い栄養ドリンクを買って研究所へ。 仕事…

メキシコ旅行記 十九日目「そしてぼくらはアミーゴとなった」

木曜日。部屋のトイレットペーパーがなくなってしまったので朝から部屋の外のトイレを使う。 いつものカフェに行くが紅茶だけ飲む。僕が具合悪そうにしていたからか、なんと無料だった。チップを多めにはずんでおいた。 研究所に行き、朝一で所内のメディカ…

メキシコ旅行記 十八日目「腹痛、そのはじまり」

水曜日。昨晩の過食のせいか腹が痛い。胃痛と下痢が襲う。食欲があるのがむしろ辛い。とはいえ、このあとのことを考えると、朝の時点での胃痛は大したものではなかった。 朝はいつものカフェにてヨーグルトとフルーツをパフェにしたようなものを食べる。 研…

メキシコ旅行記 十七日目「ご飯の話しか無い」

火曜日。七時の目覚ましに対し、六時五十五分に起床。どういう仕組みで眠りながら現在時刻を把握しているのだろう? カフェに行く際に広場を横切ると、大きなアーケードが出来ていた。なにか祭りがあるのだろうか。祭りのようなものは毎晩やっているが。 い…

メキシコ旅行記 十六日目「語学力の必要性」

月曜日。昨晩早く寝たおかげで六時半に起床。やたら寒く震えながら朝食へ。いつものカフェにてフリッターを食べる。味付けがあまりないのでサルサをかける。この国の料理はサルサ以外のときはあまり味付けに工夫がないのではないかと思う。バスに乗り研究所…

メキシコ旅行記 十五日目「日曜日、雨の日の遊園地」

日曜日。昨日冒険したせいか八時に起床。 朝食はいつものカフェにてアボガドソースとシーザーソースでトルティーヤを浸したものとメヒカナー入りの卵を食べる。このトルティーヤ浸しがかなりの量で、普通の円形のトルティーヤ三枚分はあった。カロリーもさる…

メキシコ旅行記 十四日目「ピラミッドの街、ふたたび」

土曜日。休日である。 昨日、エルネストにプエブラ行きのバスがどれなのか教えてもらっていた。先週乗って途中で降りたバスは実は間違っていなかったらしく、経由する道が違うだけで最終的にはプエブラに辿り着くのだということらしい。 ということなので朝…

メキシコ旅行記 十三日目「適応するということ」

金曜日。 今日でメキシコ滞在も半分を過ぎる。見知らぬ国での生活で肉体的にも様々な変化が起こっていた。判別しやすい部分では、髭が伸びた。こちらに来てから一度も剃っていないから、5ミリくらいの長さにまで伸びている。 体重も減っていた。体重計がな…

メキシコ旅行記 十二日目「うんこのはなし」

木曜日。 夜中雨が降り続き、これまでで最も冷える朝となった。寒かったせいか朝七時まで眠っていた。 朝はいつものカフェにて、細切りの牛肉をトマトとチリソースで煮込んだものと、ベーコンと卵の炒め物を食べる。ふとトルティーヤが欲しくなり店員に持っ…

メキシコ旅行記 十一日目「インディファレンス・ソープ」

水曜日。 たとえ初めての海外滞在だとしても一週間も同じ場所に居れば、何か特別なことがないかぎり書くことがなくなってくる。そんな日の日記は食べたものの詳細くらいしか書かれていない。 朝食。いつものカフェにてアラチェラと呼ばれるタレに浸けた肉を…

メキシコ旅行記 十日目「人の名前かと思っていた」

火曜日。昨夜の雷のせいかネットが使えなくなっていた。 今日の朝食は研究所の食堂で食べることになっていた。昨日、エルネストが「申請をすると食堂なら朝食がタダになるんだ。俺が申請しておくよ」と話していたのである。 だが、実際に食堂に行ってみると…

メキシコ旅行記 九日目「オノマトペ日本人」

月曜日。今日からまた研究所に通う日々になる。朝はいつものカフェで、源氏パイを巨大にしたようなパイを食べる。どの国でも似たような食べ物があるものだと感心する。 バス乗り場へと行く途中、装甲車へ乗り込む警察部隊を目にした。彼らはアサルトライフル…

メキシコ旅行記 七日目「ふたつの教会とチョコチップクッキー」

土曜日である。 朝までオースターを読んでいて腹が減っていたので、朝食は普通に食べることが出来た。いつものカフェではなく、ホテルのレストランで朝食をとることにする。トルティーヤをトマトソースでくたくたになるまで煮込み、その上に焼いた牛肉を乗せ…

メキシコ旅行記 八日目「ピラミッドの血塗られた歴史」

日曜日である。今日も研究は休み。朝五時に起床。ようやくまともな時間(?)に目を覚ますことができた。 朝食はいつものカフェではなくホテルの近くにある別のカフェに行ってみた。そこでモレ・ポブラーノを食す。モレはソースの意、ポブラーノは『プエブラ…

メキシコ旅行記 六日目「トラディショナル食堂」

この日の仕事はとてもしんどかった。これまで順調だった実験に暗雲が立ち込め始めている。難しい局面を迎え、憂鬱な気持ちになる。 作業をする筆者。ひどい猫背である。 一方、体調の方は良くなっていた。食欲がだいぶ回復し、朝食にモーニングセットの干し…

メキシコ旅行記 五日目「メキシコについて僕らが抱くイメージ」

メキシコに対して抱くイメージと言えば麻薬とそれを取り仕切るマフィアの存在が大きいだろう。警察がマフィアに乗っ取られただとか、マフィアが軍よりもはるかに高性能な重火器を備えているだとか、見せしめに惨殺死体が道端に転がっていただとか、そういっ…

メキシコ日記 四日目「トラディショナルなメロンパン」

今日の朝食も昨日と同じカフェへ。メキシコに滞在している間、僕たちはほとんど毎日同じカフェで朝食を取った。一度だけ違うカフェに行ったのだが、味がイマイチだったのでそれきり同じカフェで食事をした。中々ちゃんとしたカフェでウェイターは白いシャツ…

メキシコ旅行記 三日目「ヘルシーなビーフ・ジャーキーの唐揚げ」

三日目の朝は二日目と同じようにメキシコ国立自治大学のメンバーと合流し、チョルーラの街のカフェで食事を取った。前日に比べたら体調も良くなっており、ハムと卵の炒め物を半分くらい食べ、薄味のコーヒーを啜った。 天気も晴れていて、昨日は世紀末のよう…

メキシコ旅行記 二日目「ピラミッドと銃声の街」

メキシコに到着した翌日の朝、共同で研究を行うメキシコ国立自治大学のメンバーが迎えに来た。チームのボスである教授のホセと、主な作業担当のアレハンドロ、大学院生で僕らの世話人を担当するエルネストの三人である。 彼らは大きめのSRV車に乗ってや…

メキシコ旅行記 一日目「ヴィンセント・ギャロと、フォアグラになる僕」

メキシコは遠い国である。 地理的には地球の裏側であり、飛行機は乗り継ぎの時間を合わせると24時間ほど掛かる。とはいえ、交通手段が整っているし、政治的にも渡航は容易であるから、北朝鮮なんかよりも『近い』国であるかもしれない。地球の裏側に行くのに…

メキシコ旅行記 旅立ち前「牧野君と、僕が旅に出る理由」

2012年8月から9月までの一ヶ月、僕はメキシコに滞在していた。 メキシコを訪れた理由は大学院の研究を行うためだが、そもそも何故メキシコへ行くような研究をすることになったかを説明するには、牧野君について話さねばならない。 牧野君とは大学四回…

影響を受けた100冊

ぼくも年をとって最近結婚式に呼ばれることが多くなった。結婚式でよくある思い出ムービーを見たりすると思うのだけれど、自分の人生というものはおおよそ他人に見せられるほど立派なものではない。 恥ずかしい人生を送ってきました、というほどではないにせ…