惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

頂いた感想に対する回答

「わたしの庭の惑星」を出版してから3ヶ月が経ちましたが、色々感想を頂いて有り難い限りです。下記のアンケートも回答が集まっていて有り難いです。

http://blog.with2.net/vote/v/?m=va&id=129497

当たり前ですが、とても具体的に感想を言ってくださる方もいれば、何も返答がない方や、上記のアンケートで「どれも面白くなかった」と回答された方もいて、「同じ本なのに人によって色々反応が違うんだなあ」と今更な事実をまるで他人事のように感心しています。僕としてはそれぞれどのような反応も有り難いです。

色々な感想を頂きましたが、全てのご感想に「読んでいただいてありがとうございます」と言わなければならないでしょう。なのでこの文言は省略させていただきますがあしからず。

まずはWEBアンケートに回答いただいた感想に答えます。

全ての作品に既知感があります作品を作るというよりは、皆が知らない作品を紹介しているだけですよ?これは作業です。

 『皆が知らない作品を紹介している』のに、『全ての作品に既知感がある』というのはどういうことなのか、僕にはよくわからないのですが、おそらく仰りたいことは「どこかで見たことのあるような話ばかりでした」ということで良いのでしょうか。

「オリジナリティが欠如している」と思われたのか「ストーリーがありきたりだ」と思われたのか、あるいは両方なのか、僕がぱっと思いつくのはこういうことなのかなと思います。

人が何に『オリジナリティ』を感じるのかはそれぞれです。僕は見た目の奇抜さ(文体やキャラクタの突飛さ、小説そのものの在り方を問うポストモダン文学など)は嫌いなので、そういった『オリジナリティ』を求められていたのなら齟齬が生じてしまい残念でした。確かに僕の文体やキャラクタやストーリーは独自的なものとは言えないでしょうから。

僕が考える小説のオリジナリティは「そのひとにしか書き得ないもの」です。今回の短編集に収録されている作品はとても個人的なアイデンティティに基づいた話が多いので、僕としてはもっと個人性を薄めて万人受けさせたいとさえ思っているのですが、そうでもないみたいだなあとこのご感想をいただいたときに思いました。

「ストーリーがありきたりだ」と思われていたのなら、それはもう済みませんとしか言えません。面白い話が書けるように頑張ります。

 

先日、ちょうど僕の本を読み終わったところの方にお会いする機会があり、まさに生の感想を頂くことができました。「重たい話を読んだときには『世の中もっと楽しいことがあるよ』って作者に教えてあげたくなりましたよ」ということでした。今回の短編集に収録された話は「三日月君とわたし」以外、あまり精神状況がまともではないときに書かれているのでそう思われたのも無理からぬ話です。

知り合いに売っている分が多いせいか、どうも「僕がどう思いながらこんな話を書いたのか」ということに着眼点を置いて、それが色濃く出ている話(「黒猫の天秤」や「Fractale : Fragment」など)が良いという人もいれば、作者の姿があまり見えないようなフィクション性の高い話(「魔法使いの夜間歩行」や「蟲の夢」や「三日月君とわたし」など)が良いと言う人もいるようで、みなさん読み方が異なるということを再確認しました。

僕としてはこれからどんどん僕個人のことを知らない人にも読んでもらいたいと思っているので、僕の個人性よりもフィクション性を高めて行きたいです。しかしあまりにもフィクションに徹すると誰が書いても同じような凡庸なストーリーになってしまうので、どれくらい自分の人格を含めるのかはさじ加減です。

 

けっこうなひとたちが「読みやすい」と言っていただいていることには安堵しました。僕の文章はあまりシンプルではないし、口語体ではないので、それでも読みやすいということは腐心してリーダビリティを高めた努力が実ったのだなあと素直に喜ばしいです。「すっと小説世界に入っていきやすい」というのも嬉しかったです。そうなるように色々工夫しているのですが、そういった工夫というのはぱっと読んでみてもわからないものなので、その企みが成功していることは嬉しいです。

具体的なご感想に関してざっとこのように回答させていただきました。

つまらないと思われた方、「どれも面白くなかった」と投票した方、具体的に何がつまらないとか教えていただけるととても助かります。つまらなかった本に感想をつけるのはご面倒でしょうが(僕だったら絶対しません、時間がもったいないから。)、もしよければ御願いします。