惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

メキシコ旅行記 二十二日目「マンネリ化する日曜」

 日曜日。

 朝はホテル近くのチェーンのカフェへ二週間振りに来てみた。適当に頼んだらスクランブルエッグになってしまった。それと菓子パンを食す。味は良いがいつものカフェに比べるとボリュームに欠ける。いつものカフェがボリューミーなだけかもしれない。
 食後にふらりの街を回る。日曜なので結婚式が行われているのかと思ったのだけれど、見かけることはなかった。もしかしたら仏滅なのかもしれない。メキシコにそういうような文化があるのかは知らないが。

 ミニスーパーにてテキーラ(ドン・フリオ)を購入する。日本で買えば四千円以上するが、二千円もしないくらいで買うことができる。ドン・フリオのテキーラはエルネストがお勧めしていたのだが、飲みやすく華やかな味でとても美味しかった。
 ホテルに戻りダラけていたのだが、いつホテルの清掃が来るかわからずトイレにも行けない。ホテル内のトイレはなぜか鍵がかかっていて使用できず、無駄にホテル内をうろうろして清掃が終わるのを待ったが正午になっても清掃は来ない。忙しいのだろうか。

 結局トイレは部屋でさっと済ませ、昼食へ。

 これまた二週間振りに例の中華料理屋に来た。前に来た時に美味しくなくて落胆したが、毎日メキシコ料理ばかり食べているとそんな中華料理でも再び食べたくなるものなのだ。

 今回食べたのはチャーハンと、ジャガイモの甘辛煮と、鶏肉と野菜の炒め物。全体的にすこし辛い。とりあえず辛くしておけば良いやみたいなニュアンスの辛さである。日本に帰りたい気持ちがまた強まる。

 食後はどこか散歩に行こうと思ったがチョルーラの街は正直もう見飽きたのでプエブラへ行くことにした。

  バス停からはダイレクトバスと呼ばれる終点までどこにも止まらないバスが出ていたのでそれに乗り込んだ。バスターミナルの近くまで一直線に連れて行ってくれた。とりあえずソカロを目指し、州庁舎の写真を撮る。カテドラルに入ろうとしたらミサの途中だったらしく奥に行けなかった。なんとなく気持ちが萎えたので適当に街をぶらつくだけにしておく。前回の来訪でめぼしい観光名所はあらかた見てしまったし、本屋でガルシアマルケスを見かけた以外は特に面白いことも無かった。

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プエブラの往来は観光客で賑わっている。子どもたちが吹いたシャボン玉が写真に写り込んでいる。

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奥に見えるのは州庁舎。

 帰りのバスの心配ばかり頭に浮かぶのでさっさと帰る。バスターミナルからバスに乗る。また前と違うバスに乗った。なんでろくに行き先もわからないのに毎回違うバスに乗るのか、馬鹿なのか自虐なのかと自問自答する。ギターを持った若い男に「チョルーラ、セントロ?」とバスを指差しながら尋ねると頷いたのでそれに乗った。

 途中までは大通りをひたすらまっすぐ進んでいたが、前回のように突然路地に入りだした。しかし前とまったく同じルートだったので焦ることは無い。無事にホテルの近くまでたどり着くことができた。今回のプエブラ来訪は完全に無事に帰ることが目的と化していた。満足。

 夕食はドミノピザへ。お祭りで広場には人が多い。広場に出来た即席遊園地が客で賑わっていた。屋台は美味しそうだが衛生的に怖いので止めておいた。

 ドミノピザで会計で問題が発生し、お釣りがもらえなかった。僕なんかはこういうことがあったときにはすぐに仕方が無いと諦めてしまうタチなので、お釣りなんてチップ代わりにくれてやれと思ったのだけれど、先輩はかなり怒ってバイトに文句を言ったのだが、なにぶん日本語なので向こうも困惑するばかりである。結局お釣りはもらえず、出されたピザを黙って食った。

 帰宅して風呂に入り洗濯をしてテキーラで晩酌。就寝。