6年ぶりの短編集「死にたくなるほど好きならば」を近日頒布します。
問題なければ5月3日に通販サイトを公開する予定です。
「私はね、他人の下心を見ることができるの」
白石さんは相変わらず無表情で僕を見つめている。
「高梨君、私の下着を見て興奮したでしょう?」
残念ながら頒布を予定していた第三十回文学フリマ東京は中止になってしまいました。コロナ禍のため仕方がないことですが尽力されていた文学フリマ事務局の皆様、来場を楽しみにされていた出展予定者・来場予定者の方々の無念は計り知れません。ぼくもまた無念を抱く人間のひとりです。
6年ぶりになってしまいましたが本来は去年の時点で収録作のすべてを書き終えていました。今年まで引っ張ったのはぼくの怠惰のせいです。しかもこうやって文学フリマにも出せず。せめて通販にて皆様の手元にお届けできればと願う次第です。
今回もイラストはらいかど様に描いていただいています。毎回印象が異なるのに驚かされますが、今回公開した表紙絵も背景のリアルさと人物の対比がとても気に入っています。これまで文学フリマにて頒布した短編のイラストも収録されていますのでお楽しみにください。
表題作の引用のとおり、前の短編集「わたしの庭の惑星」と大きく印象が異なると思います。ぼくの人格が変わったわけではないので根本が変わったわけではないですが、それでも6年という月日の堆積が顕れているのは間違いないです。ぼくとしては常に前より良い作品を書き続けていると思っているので、できれば多くの人の手に渡ることを祈っています。
では、もうしばらくお待ち下さい。