惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

メキシコ旅行記 二十一日目「小康する休日」

 土曜日。調子が良かったので朝はいつものカフェでスクランブルエッグとチョコレートマフィンを食べる。先輩がプエブラに行くというので昼は独りで食べることになった。

 昼まではダラダラとネットサーフィンをして過ごす。エルネストから体調を心配するメールが来ていたので英語で返す。英語でメールを書くのは初めてだったのだが難しい。病院のお礼と、症状がだいぶ良くなったことを伝えた。

 昼飯はカフェの隣にある軽食屋でタコスとスープを食す。ドリンクはいらない、といったのにコーラが出てきた。「ノー」が「コーク」に聞こえたのだろうか? 予想以上に満腹になったので食後に散歩がてらピラミッドへ。腹の具合はだいぶ良くなっていた。

 教会へ上がると椅子を外に出して合唱が行われていた。遺跡の方に入ると、他の観光客が僕を指差してなにかを言っていた。どうやら記帳しろ、ということらしい。前に来た時は記帳なんか求められなかったのに。しかしながら遺跡は何度見ても面白い。中学生くらいの男の子が僕を見ながらニヤニヤしていた。あのくらいの年頃は異質なものを見ると馬鹿にしたくなるのかもしれない。僕もそうだったような気がする。

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メディオス教会の内部。

 帰りにピラミッドの近くに点在する土産屋を冷やかすがとくに欲しいものもなかった。スーパーに行きテキーラを買おうと思ったが、高級なものはガラスケースに入っていて買えなかった。仕方なく安物を買った。これは安すぎてお土産にはできないだろう。

 夕食はチェーンの軽食屋でハンバーガーとチャイとチェロスを食べる。美味い。ハンバーガーはマヨネーズしか味付けがされていなかったのでケチャップを自分でぬった。おそらくケチャップかサルサか、と自分で選べるようにしているのだろう。

 コーヒー豆も売っていたので研究室の土産用に購入。五百グラムで六百円くらいなので非常に安い。店のお姉さんが僕に尋ねたが、スペイン語だったので何と言っているかわからなかった。

 僕が困った顔をしていると、お姉さんはちょっと笑って豆と挽いたものをわざわざ持ってきてみせてくれた。親切なお姉さんのおかげで無事に豆が手に入った。この街の人は大体親切だ。

 ホテルに戻り風呂に入って洗濯を終えてから、買ってきた安物テキーラを飲む。まあ、こんなものだろうという味。決して粗悪な味はしない。飲みやすくて悪く無い。残念ながら銘柄は失念してしまったのでここには書けない。あしからず。