惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

メキシコ旅行記 七日目「ふたつの教会とチョコチップクッキー」

土曜日である。 朝までオースターを読んでいて腹が減っていたので、朝食は普通に食べることが出来た。いつものカフェではなく、ホテルのレストランで朝食をとることにする。トルティーヤをトマトソースでくたくたになるまで煮込み、その上に焼いた牛肉を乗せ…

メキシコ旅行記 八日目「ピラミッドの血塗られた歴史」

日曜日である。今日も研究は休み。朝五時に起床。ようやくまともな時間(?)に目を覚ますことができた。 朝食はいつものカフェではなくホテルの近くにある別のカフェに行ってみた。そこでモレ・ポブラーノを食す。モレはソースの意、ポブラーノは『プエブラ…

メキシコ旅行記 六日目「トラディショナル食堂」

この日の仕事はとてもしんどかった。これまで順調だった実験に暗雲が立ち込め始めている。難しい局面を迎え、憂鬱な気持ちになる。 作業をする筆者。ひどい猫背である。 一方、体調の方は良くなっていた。食欲がだいぶ回復し、朝食にモーニングセットの干し…

メキシコ旅行記 五日目「メキシコについて僕らが抱くイメージ」

メキシコに対して抱くイメージと言えば麻薬とそれを取り仕切るマフィアの存在が大きいだろう。警察がマフィアに乗っ取られただとか、マフィアが軍よりもはるかに高性能な重火器を備えているだとか、見せしめに惨殺死体が道端に転がっていただとか、そういっ…

メキシコ日記 四日目「トラディショナルなメロンパン」

今日の朝食も昨日と同じカフェへ。メキシコに滞在している間、僕たちはほとんど毎日同じカフェで朝食を取った。一度だけ違うカフェに行ったのだが、味がイマイチだったのでそれきり同じカフェで食事をした。中々ちゃんとしたカフェでウェイターは白いシャツ…

メキシコ旅行記 三日目「ヘルシーなビーフ・ジャーキーの唐揚げ」

三日目の朝は二日目と同じようにメキシコ国立自治大学のメンバーと合流し、チョルーラの街のカフェで食事を取った。前日に比べたら体調も良くなっており、ハムと卵の炒め物を半分くらい食べ、薄味のコーヒーを啜った。 天気も晴れていて、昨日は世紀末のよう…

メキシコ旅行記 二日目「ピラミッドと銃声の街」

メキシコに到着した翌日の朝、共同で研究を行うメキシコ国立自治大学のメンバーが迎えに来た。チームのボスである教授のホセと、主な作業担当のアレハンドロ、大学院生で僕らの世話人を担当するエルネストの三人である。 彼らは大きめのSRV車に乗ってや…

メキシコ旅行記 一日目「ヴィンセント・ギャロと、フォアグラになる僕」

メキシコは遠い国である。 地理的には地球の裏側であり、飛行機は乗り継ぎの時間を合わせると24時間ほど掛かる。とはいえ、交通手段が整っているし、政治的にも渡航は容易であるから、北朝鮮なんかよりも『近い』国であるかもしれない。地球の裏側に行くのに…

メキシコ旅行記 旅立ち前「牧野君と、僕が旅に出る理由」

2012年8月から9月までの一ヶ月、僕はメキシコに滞在していた。 メキシコを訪れた理由は大学院の研究を行うためだが、そもそも何故メキシコへ行くような研究をすることになったかを説明するには、牧野君について話さねばならない。 牧野君とは大学四回…