惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

進捗月報 11月

■インプット

<<本>>

「いまさら翼と言われても」米澤穂信

ふたりの距離の概算米澤穂信

 

米澤穂信古典部シリーズを数年ぶりに読む。高校生の頃に初めて読んで夢中になったシリーズだが、今読んでも面白い。ほとんど忘れているのでもはや新鮮に読めた。

かつてはミステリとしての謎解きとキャラクターにフォーカスして読んでいたが、改めて読むと小説としての質の高さを実感する。質とは何かと言うと難しいのだが、要するにバランス感覚のようなものだろうか。簡潔でいて、クセがないわけではない。コミカルでいて軽すぎるわけではない。謎解きとともに登場人物たちの内面も移ろいゆく。

そういったバランス感覚、あるいは、容易には両立し得ない要素を両立させてしまう手腕こそが小説の質なのかもしれない、とぼんやり思ったりした。

「いまさら翼と言われても」は主人公である折木奉太郎の面目躍如といった内容で、自ら汚名を被ることで人助けをする格好良さや、幼き奉太郎少年が省エネ主義に至る可愛らしくも哀しいバックボーンなどを存分に味わうことができる。今まで折木の探偵役としての魅力をあまり感じたことがなかったが、今作において数々の名探偵と比肩する存在になった。

 

■アウトプット

書いている。登場人物が増えてきたので会話を書いているだけで枚数が増えていくので多少ペースは上がっている。

6人のチームを描いているので、書き分けが難しい。多人数が一度に登場しないような設計が必要で、なるべく人物が分散するように腐心している。

ようやく物語が3分の1まで来た。年内に半分まで行くことを目標にしているが、ギリギリといったところ。

つぎの長編のネタも思いついてしまったのだけど、いったん頭の引き出しにしまっておいて、いまは書いているものに集中する。