■インプット
<<本>>
中山由美「南極で宇宙をみつけた! 生命の起源を探す旅」
朝日新聞記者による南極内陸調査隊の同行取材記。資料としてはまさにドンピシャで求めていた情報が満載だったのだが、内陸調査隊に内定もしていないのに訓練にアポ無しで押しかけたり、調査隊に同行できないなら南極に行く意味がないとゴネたり、読み物としては著者に共感できない部分が多くちょっとなあという感想。これくらい強引じゃないと記者なんてやれないのかもしれないけど。
「ことばのしっぽ」
未就学児〜中学生までの詩(親が書き留めた言葉も含む)を編んだ詩集。既成概念に汚されていないフィルターを通した世界はどうしてこうも輝いて見えるのか。おそらくかつて自分にも見えていたはずの世界に憧憬を覚え胸が苦しくなる。
(お店やさんごっこをしていて)
これ(かさ)は
あめのおとが
よくきこえる きかいです
初読。小学生〜中学生の頃に同作者の頭文字Dにどハマりして群馬県に聖地巡礼するほど好きだったのだけれど、当時のネットでの評価としては「しげの秀一はバリバリ伝説こそ至高」と言われていた。ならばとバリバリ伝説をブックオフで数冊読んだけれど全然レースしていない(序盤は当時隆盛していたラブコメ不良漫画のノリで今読むとやっぱり古臭い)のでうーんとなって読み進めなかった。
ウェブで公開されていたので一気読みしたのだが、確かに頭文字Dよりレースの描写の迫力が凄まじい。特に峠の走り屋からプロレーサーになってからは実況による盛り上げが入って臨場感がより増している。
頭文字Dのほうがナレーションによる解説が付いて勝ち負けにそれっぽい説明がついたり、郊外の走り屋たちの寂寥とした雰囲気がよく描かれていて作品としての進化があるけれど、バリバリ伝説はモーターレースとしての純粋な魅力が詰まっている。終盤のレースは思わず手に汗握ってしまうほど興奮し、本物のレースを見ているようだった。
<<映画>>
「レッドドラゴン」
「羊たちの沈黙」「ハンニバル」に続くハンニバル・レクター博士のシリーズ第三作目。しかし原作としては一番最初の作品で時系列的にも羊たちの沈黙より前になる。
おそらくこの映画は昔見ているはずだけどドラマ版「ハンニバル」(マッツ・ミケルセンがレクター博士)と同じ原作なので記憶が混同している。冒頭でいきなりレクター博士が主人公ウィル・グレアムに逮捕され、以降レクターはずっと地下牢に閉じ込められている。アンソニー・ホプキンスの怪演により忘れそうになるが、レクター博士は終始閉じ込められてニタニタ笑っているだけである。そういう意味ではレクター博士の活躍は他2作と劣るのだが、主人公ウィルがかなり頑張っているので面白い。
■アウトプット
小説を書いている。進捗は25%ほど。短編1作分の長さにはなったか。相変わらずのペースだが、調べ物をしながら書いているのでしょうがないか。
間違いなく今までの自分の作品の中で一番おもしろいものになっているはず。従来がファミコンレベルだとしたらニンテンドー64くらいには進化している。Wiiやスイッチくらいに進化できることを目指したい。
自分が書く意味とはなにかを考えてみたりするけれど結局のところ、書くことが楽しいというのと、誰かに読んでもらえたら嬉しい、という2点に尽きる。ときどきそのことを見失いそうになるけれど、忘れずに歩いていきたい。