惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

進捗月報 9月

■インプット

学びの多い月だった。

まずは落選した賞の評価シートが返ってきたので、他人から見た自作の良し悪しを知ることができた。詳細は下記の記事に書いています。

planetarywords.hatenablog.com

次は下記のライターの方の記事。文章を書く(書き始める)ときは意識を低くしろというのは目からウロコだった。

書き始める前を0、最終稿が100だとしたら、いきなり100や90の文章を書くのではなくて1でいいからまずは終わりまで書く。最初はおよそ文章と言えないようなレベルでもいい。0→90よりも0→1→10→40→70→90→100としたほうが精神的な障壁は小さいし、トータルの時間も短く済むという話である。確かにそのとおりだと思った。

ぼくはこれまで初稿は70~90くらいのレベルを目指していた。小説は特にそうだ。とはいえこの記事に書かれているような1レベルの文章だと、文章のヴォイスやナラティブの部分が削がれるので小説ではちょっと工夫しないといけないかもしれない。

ところで本記事はレベル30くらいの初稿で書いている。1レベルで書くというのは逆になかなか難しいかもしれない。

note.com

 

続いてはこの本。小説を書いているときにハウツー本を呼んでカンフル剤にするいつもの癖。とはいえこの本はかなり勉強になった。

ストーリーとドラマは別物であり分けて考える必要があるという話は、いまさらながら衝撃的だった。考えてみれば当たり前だが見落としていた。

海外文学だと会話文がほとんどないものもたくさんあるので、そもそも小説にドラマがあることをすっぽり忘れていた。

これまでストーリーの作り方ばかりに目を奪われていて、そこから小説に落とし込むときに中々進められずに苦労していたが、その原因がわかった気がした。

 

<<本>>

佐藤究「爆発物処理班が遭遇したスピン」

「テスカトリポカ」で直木賞を受賞した作者の短編集。どの短編も秀逸で一気読みしてしまった。『猿人マグラ』というホラー短編が最も印象的。子どもの頃に耳にした都市伝説を追うリリカルな話かと思ったら知らず知らず不気味な領域に足を踏み入れていたことに気付かされる恐怖。どの短編も長編と同じような情報量がある。緊張感のある語りにぐいぐい牽引された。

 

<<ゲーム>>

龍が如く0 誓いの場所」

あー面白かった。

龍が如くシリーズの主人公桐生一馬と人気キャラ真島吾朗のダブル主役で、二人の若かりし頃を描く。桐生は殺人の容疑を晴らすため、真島は人殺しの依頼を達成するため、ストーリーの重苦しい雰囲気と、バブル景気でいちいち札束が舞いまくる(そのへんのチンピラを殴るだけで数十万くらい手に入る)舞台のギャップが笑える。資金を稼ぐためのミニゲームシノギ)も面白く、ついついやりすぎて本編を進める忘れてしまうくらい。

とにかくもう真島吾朗というキャラクターが最高だった。こんなに真面目だった真島が後のシリーズではクレイジーピエロ的な戦闘狂になっているはよくわからなかったが……。「おれは誓って殺しはやってません」と清廉潔白を訴える桐生ちゃんがそのへんのチンピラには腰溜めでドス突き刺してるのはだめでしょ。

 

「海藤正治の事件簿」

キムタクが主人公のLOST JUDGMENTのDLC。本編より面白い。1作目で掘り尽くした主人公のキャラではなく、相棒である海藤を主役に据えたのは完全に正解だった。

最初は小物のように見えた敵役が、実は自分なりの信念を貫いていたことが終盤に明かされるというのは「龍が如く0」も1作目の「ジャッジアイズ」でも繰り返し使われていた手法だが、かなり効果的だと思った。

 

<<アウトプット>>

書いている。現在進捗15%といったところ。

前月よりペースは上がったが完成までに半年はかかる見込み。去年は月に100枚位書いていたが3分の1くらいのペースになっている。時間が取れないのも理由のひとつだが、舞台や背景が特殊なので調べ物をしながらでないと書けないのでスピードが上げられない。物語の導入が終わって人物中心になればもう少しペースが上がると思いたい。