惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

記憶の中の公園

思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ 幼い頃、僕は城の近くに住んでいた。 などというと異国の話のように聞こえるけど、父が公務員で名古屋城の近くの役所で働いていたので、名古屋城近郊の公務員住宅に住んでいただけである。名…

「わたしの庭の惑星」試し読み

私の庭に浮かぶ巨大な球体。勿論、それは突如として上空から降ってきたわけでも風に吹かれて何処かから転がってきたわけでもない。もはや仰がねば全貌を視界に捉えることができないその物体を、私たちは惑星と呼んでいる。 「初めに種を植えました。数日後小…

「死にたくなるほど好きならば」試し読み

僕の人生において、周期的に変な女の子と出逢うように宿命付けられているのではないかと気付いたのは、僕が高校生くらいの頃だったと記憶している。 何年かに一度の頻度で惑星同士の軌道が重なり合うように、何らかの法則に基づく周期で彼女たちは僕の前に現…

新作「死にたくなるほど好きならば」の通信販売を開始しました。

planetarywords.booth.pm ほんとうの世界のすがたは決して美しくはなかった。 新作「死にたくなるほど好きならば」の通販を開始しました。 6年ぶりの短編集になります。 前作「わたしの庭の惑星」以降の全作品と書下ろし表題作を収録。「わたしの庭の惑星」…

短編集「死にたくなるほど好きならば」を近日頒布します

6年ぶりの短編集「死にたくなるほど好きならば」を近日頒布します。 問題なければ5月3日に通販サイトを公開する予定です。 「私はね、他人の下心を見ることができるの」 白石さんは相変わらず無表情で僕を見つめている。「高梨君、私の下着を見て興奮したで…

「感情」から書く脚本術

「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方 作者:カール・イグレシアス 出版社/メーカー: フィルムアート社 発売日: 2016/04/11 メディア: 単行本 人生は、いつもうまくいくとは限らない。理不尽でカオスなものだ。だから、私たちは人生の…