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惑星間不定期通信

小説を書いています。本や映画の感想やその他なども書きます。

影響を受けた100冊

ぼくも年をとって最近結婚式に呼ばれることが多くなった。結婚式でよくある思い出ムービーを見たりすると思うのだけれど、自分の人生というものはおおよそ他人に見せられるほど立派なものではない。

恥ずかしい人生を送ってきました、というほどではないにせよあまり振り返りたくない過去ばかりである。とはいえ目を背けてばかりいるとただでさえ日に日に落ちていく記憶力に、忘れてはいけないことさえ流れ去ってしまうかもしれない。

というわけでここらへんで人生で影響を受けた本について100冊ほど列挙してみることにした。ほとんどの本を実家に置いてきてしまい、完全に記憶のみを頼りに書いているので漏れがたくさんあると思う。まあでも思い出せないような本はたいした本じゃないのかもしれない。1作者につき1冊という縛りをしたせいで、選出できなかった本も多い。基本的に気に入った作者の本を読み進めていくことが多いので、挙げるのは結構苦労した。しかしそのおかげで記憶を深く掘り起こすことができたとも言える。

完全に個人的な備忘録ではあるが、どれも(多分今読んでも)面白いものだと思う。なお選出の並びには意味がない。幼少期に読んだ児童書もある。もし興味があれば読んでいただければ幸いである。

 

次は映画を100作選ぼうかな。たぶん、もっと思い出すのが大変だろうな。

 

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

 

 1.「世界史」ウィリアム・H. マクニール

 

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

 

 2.「海辺のカフカ村上春樹

 

ハリウッド脚本術―プロになるためのワークショップ101

ハリウッド脚本術―プロになるためのワークショップ101

  • 作者: ニール・D・ヒックス,Neill D. Hicks,浜口幸一
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2001/03/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 18人 クリック: 150回
  • この商品を含むブログ (54件) を見る
 

  3.「ハリウッド脚本術-プロになるためのワークショップ101」ニール・D・ヒックス

 

小説のストラテジー (ちくま文庫)

小説のストラテジー (ちくま文庫)

 

  4.「小説のストラテジー」佐藤亜紀

 

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

 

  5.「文鳥夢十夜夏目漱石

 

 

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

 

  6.「すべてがFになる森博嗣

 

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

  7.「ハサミ男殊能将之

 

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

 

  8.「さよなら妖精米澤穂信

 

Self-Reference ENGINE

Self-Reference ENGINE

 

9.「Self-Reference ENGINE円城塔

 

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 

10.「虐殺器官伊藤計劃

 

太陽の簒奪者

太陽の簒奪者

 

 11.「太陽の簒奪者」野尻抱介

 

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

 

12.「夏への扉」ロバート・A.ハインライン

 

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

 

 13.「ハローサマー、グッドバイ」マイクル・コーニィ

 

求愛瞳孔反射 (河出文庫)

求愛瞳孔反射 (河出文庫)

 

 14.「求愛瞳孔反射」穂村弘

 

月に吠える

月に吠える

 

 15.「月に吠える」萩原朔太郎

 

中原中也詩集 (岩波文庫)

中原中也詩集 (岩波文庫)

 

 16.「中原中也詩集」中原中也

 

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

 

 17.「罪と罰ドストエフスキー

 

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

 

 18.「ロリータ」ウラジーミル・ナボコフ

 

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

 

 19.「ナイン・ストーリーズJ・D・サリンジャー

 

ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫)

ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫)

 

 20.「ホテル・ニューハンプシャージョン・アーヴィング

 

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

 

 21.「百年の孤独」ガブリエル・ガルシア=マルケス

 

伝奇集 (岩波文庫)

伝奇集 (岩波文庫)

 

22.「伝奇集」J.L.ボルヘス

 

涼宮ハルヒの憂鬱<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
 

 23.「涼宮ハルヒの憂鬱谷川流

 

 24.「E.G.コンバット秋山瑞人

 

ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)

ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)

 

 25.「ウは宇宙船のウ」レイ・ブラッドベリ

 

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)

 

 26.「タイタンの妖女カート・ヴォネガット・ジュニア

 

存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて

存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて

 

 27.「存在論的、郵便的-ジャック・デリダについて」東浩紀

 

煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物 (講談社文庫)

 

28.「煙か土か食い物舞城王太郎

 

城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)

 

 29.「城」フランツ・カフカ

 

臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

 

 30.「臆病者のための億万長者入門」橘玲

 

アイディ。 (星海社文庫)

アイディ。 (星海社文庫)

 

 31.「アイディ。」坂本真綾

 

空の境界(上) (講談社文庫)

空の境界(上) (講談社文庫)

 

 32.「空の境界那須きのこ

 

刺青・秘密 (新潮文庫)

刺青・秘密 (新潮文庫)

 

 33.「刺青・秘密」谷崎潤一郎

 

一千一秒物語 (新潮文庫)

一千一秒物語 (新潮文庫)

 

34.「一千一秒物語稲垣足穂

 

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

 

 35.「暗号解読」サイモン・シン

 

海を見る人

海を見る人

 

 36.「海を見る人」小林泰三

 

 37.「サマー/タイム/トラベラー新城カズマ

 

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

 

 38.「太陽の塔森見登美彦

 

ゴリオ爺さん (新潮文庫)

ゴリオ爺さん (新潮文庫)

 

 39.「ゴリオ爺さんバルザック

 

歪み真珠

歪み真珠

 

 40.「歪み真珠」山尾悠子

 

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 

 41.「砂の女安部公房

 

ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

 

 42.「ドグラ・マグラ夢野久作

 

夜と霧 新版

夜と霧 新版

 

 43.「夜と霧」ヴィクトール・E・フランクル

 

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 44.「神話の力」ジョーゼフ・キャンベル、ビル・モイヤーズ

 

 

戻り川心中 (光文社文庫)

戻り川心中 (光文社文庫)

 

 45.「戻り川心中」連城三紀彦

 

 46.「ソラリススタニスワフ・レム

 

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))

 

 47.「人間失格太宰治

 

舞踏会へ向かう三人の農夫

舞踏会へ向かう三人の農夫

 

 48.「舞踏会へ向かう三人の農夫」リチャード・パワーズ

 

 49.「神菜、頭をよくしてあげよう」大槻ケンヂ

 

車輪の下 (新潮文庫)

車輪の下 (新潮文庫)

 

 50.「車輪の下ヘルマン・ヘッセ

 

しあわせの理由

しあわせの理由

 

  51.「しあわせの理由」グレッグ・イーガン

 

know

know

 

  52.「know」野崎まど

 

  53.「ブギーポップは笑わない上遠野浩平

 

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)

 

  54.「二十歳の原点高野悦子

 

構造と力―記号論を超えて

構造と力―記号論を超えて

 

  55.「構造と力-記号論を超えて」浅田彰

 

今夜は眠れない (角川文庫)

今夜は眠れない (角川文庫)

 

   56.「今夜は眠れない」宮部みゆき

 

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

 

   57.「はてしない物語ミヒャエル・エンデ

 

『春と修羅』

『春と修羅』

 

   58.「春と修羅宮沢賢治

 

ナイフ (新潮文庫)

ナイフ (新潮文庫)

 

   59.「ナイフ」重松清

 

新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)

 

   60.「指輪物語」J.R.R.トールキン

 

 

幻影の書 (新潮文庫)

幻影の書 (新潮文庫)

 

   61.「幻影の書」ポール・オースター

 

旅人―湯川秀樹自伝 (角川文庫)

旅人―湯川秀樹自伝 (角川文庫)

 

   62.「旅人-湯川秀樹自伝」湯川秀樹

 

GOTH 夜の章 (角川文庫)

GOTH 夜の章 (角川文庫)

 

  63.「GOTH」乙一

 

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

 

   64.「家族八景筒井康隆

 

   65.「ご冗談でしょう、ファインマンさん」R.P.ファインマン

 

もものかんづめ (集英社文庫)

もものかんづめ (集英社文庫)

 

   66.「もものかんづめ」さくらももこ

 

究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック

究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック

 

   67.「究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック」クリス・アセート

 

 

第七官界彷徨 (河出文庫)

第七官界彷徨 (河出文庫)

 

   68.「第七官界彷徨尾崎翠

 

岸辺のない海 (河出文庫)

岸辺のない海 (河出文庫)

 

   69.「岸辺のない海」金井美恵子

 

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

 

   70.「楽園への道」マリオ・バルガス=リョサ

 

マダム・エドワルダ―バタイユ作品集 (角川文庫クラシックス)

マダム・エドワルダ―バタイユ作品集 (角川文庫クラシックス)

 

  71.「マダム・エドワルダ」ジョルジュ・バタイユ

 

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

 

   72.「向日葵の咲かない夏」道尾秀介

 

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

 

   73.「空飛ぶ馬」北村薫

 

   74.「シャーロック・ホームズの冒険コナン・ドイル

 

スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)

スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)

 

   75.「スタンド・バイ・ミースティーヴン・キング

 

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

 

   76.「ホーキング、宇宙を語る」スティーヴン・W.ホーキング

 

インディヴィジュアル・プロジェクション

インディヴィジュアル・プロジェクション

 

   77.「インディヴィジュアル・プロジェクション阿部和重

 

小説ドラゴンクエスト5―天空の花嫁〈1〉 (ドラゴンクエストノベルズ)
 

   78.「小説ドラゴンクエスト5 天空の花嫁久美沙織

 

  79.「文学賞メッタ斬り!大森望豊崎由美

 

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)

 

   80.「赤朽葉家の伝説桜庭一樹

 

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 

   81.「一九八四年」ジョージ・オーウェル

 

闇の奥 (光文社古典新訳文庫)

闇の奥 (光文社古典新訳文庫)

 

    82.「闇の奥」ジョセフ・コンラッド

 

うわさのズッコケ株式会社 (ポプラ社文庫)

うわさのズッコケ株式会社 (ポプラ社文庫)

 

    83.「うわさのズッコケ株式会社」那須正幹

 

嵐が丘(上) (岩波文庫)

嵐が丘(上) (岩波文庫)

 

    84.「嵐が丘エミリー・ブロンテ

 

    85.「ウォール街のランダム・ウォーカー」バートン・マルキール

 

魍魎の匣 (講談社ノベルス)

魍魎の匣 (講談社ノベルス)

 

   86.「魍魎の匣京極夏彦

 

檸檬 (集英社文庫)

檸檬 (集英社文庫)

 

    87.「檸檬梶井基次郎

 

蜜柑

蜜柑

 

    88.「蜜柑」芥川龍之介

 

桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)

桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)

 

    89.「桜の森の満開の下坂口安吾

 

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

 

     90.「成りあがり How to be BIG ー矢沢永吉激論集」矢沢永吉

 

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 

 91.「星を継ぐもの」ジェイムズ・P・ホーガン

 

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

 

92.「ある日、爆弾がおちてきて古橋秀之

 

獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

 

 93.「獄門島横溝正史

 

 94.「ロング・グッドバイレイモンド・チャンドラー

 

悪童日記

悪童日記

 

  95.「悪童日記アゴタ・クリストフ

 

小僧の神様・城の崎にて (新潮文庫)

小僧の神様・城の崎にて (新潮文庫)

 

 96.「小僧の神様・城の崎にて」志賀直哉

 

サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫)

サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫)

 

 97.「サラサーテの盤内田百けん

 

少年アリス (河出文庫)

少年アリス (河出文庫)

 

  98.「少年アリス長野まゆみ

 

押絵と旅する男
 

  99.「押絵と旅する男江戸川乱歩

 

アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を

 

 100.「アルジャーノンに花束をダニエル・キイス

 

 

 

「硝子と眼球」

第二十三回文学フリマ東京にて頒布する新刊「硝子と眼球」が出来上がりました。

 

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「ひとは何故生まれ、何故生きるのか」
 千秋は嬰児の標本を愛おしそうに撫でる。
「この子を見ていると、そんな当たり前の問いが無意味だと思えてくるわ」 
 だってそうでしょう、と彼女は言う。
「こんなに気持ち良さそうに眠っているのですもの」
 陶然とした表情で嬰児を見つめるその顔には、どこか母性を思わせるものがあった。
「嗚呼……」
 彼女は喘ぐように呟く。
「私も早く死にたいものだわ」

 

10代の女子学生の連続自殺事件、彼女たちの死体には眼球が無かった。最後の被害者となってしまった親友の身辺を調べるうちに、私自身も奇妙な事件に巻き込まれていく…。

今回はミステリということで、殺人事件を描いています。とはいえ犯人当てゲーム、という意味のミステリはないですが。

ブースも決定しました。お待ちしております。

 ブース位置 : D-20 (Eホール(1F))

    カテゴリ   : 小説|ミステリー

 

あとは、当日に有給が取れるかどうかだけが心配です……。むりそー。

第二十三回文学フリマ東京 参加します

第二十三回文学フリマ東京
開催日 2016年11月23日(水祝)
開催時間 11:00~17:00予定
会場 東京流通センター 第二展示場
アクセス 東京モノレール流通センター駅」徒歩1分

 

二年ぶりに文学フリマに出ます。もう原稿は書き上がっているので、開催日が会社の営業日なので有給が取れるかどうかだけが問題です。ジャンルはミステリーで登録しました。初めて参加した時はSF、次は恋愛、今回はミステリーと全部異なっていますが、自分としてはジャンルを決めずに書いているのでこうなりました。そんな感じなので今回もミステリなのかどうか分かりませんが、一応ホワイダニットになるのではないかと思います。

 

というわけで、新刊「硝子と眼球」頒布予定です。

 

2015年読書記録 51~59冊

前回の続きです。ようやく最後です。

 

赤緑黒白 (講談社文庫)

赤緑黒白 (講談社文庫)

 

   ■51冊目『赤緑黒白森博嗣

Vシリーズ最後になります。犯人はすぐにわかったというか、いかにも森博嗣的なポジションにいる人物だなと。トリックに僕の仕事で使用しているものが出てくるので複雑な気持ちになりました。本当に祖父江警部補が可哀想。最後にはあの人物が出てきますが、直接次の四季シリーズへと繋がっていきます。

 

四季 春 (講談社文庫)

四季 春 (講談社文庫)

 

    ■52冊目『四季 春』森博嗣

そして四季シリーズ。おなじみの天才真賀田四季の幼少期の物語。混乱するような記述が続きますが、話としてはそれなり。とにかく真賀田四季の思考を「考えずに感じろ」的な作品。

 

四季 夏 (講談社文庫)

四季 夏 (講談社文庫)

 

     ■53冊目『四季 夏』森博嗣

四季シリーズ。Vシリーズの面々が真賀田四季と交錯します。四季シリーズになっても祖父江さんは可哀想。そしてVシリーズの大トリックがさらっと明らかになります。この衝撃の事実に多くの読者は驚愕したでしょうが、不幸にも僕はすでにネタバレを食らっていました。それを抜きにしても素晴らしいトリック。そして四季シリーズになっても保呂草さんは格好良いです。真賀田四季にどうして結婚指輪を外さないのかと問われた林警部のやり取りが最高にハードボイルド。全てのシリーズにおいて真賀田四季に屈服しなかったのは紅子さんだけなのでは?

そして今作のラストからS&Mシリーズの始点に立つことになります。

 

四季 秋 (講談社文庫)

四季 秋 (講談社文庫)

 

     ■54冊目『四季 秋』森博嗣 

S&MシリーズとVシリーズの登場人物が一堂に会し、そしてその中心には真賀田四季。今作を持ってS&MシリーズとVシリーズは完結と言えるでしょう。ファンとしては感慨深いものです。保呂草と儀同世津子のやり取りが切ない。

 

四季 冬 (講談社文庫)

四季 冬 (講談社文庫)

 

      ■55冊目『四季 冬』森博嗣 

四季シリーズ最終巻。行くとこまで行っちゃったというか、未来の話になっており他のシリーズの登場人物はほとんど出てきません。時間軸が断裂的にいったりきたりしながらシリーズを振り返ります。森ワールド全開。

 

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)

 

       ■56冊目『バビロン1 -女-』野崎まど

野崎まどの新刊。特捜地検の検事正崎は製薬会社の不正を追う内に奇怪な殺人事件に遭遇する。そしてその事件から政界の闇へと足を踏み込んでいく。その先には別の死体が…。野崎まどのまっとうなミステリらしいミステリ。途中でSFのエッセンスもあり、舞台装置として新統治区分「新域」というアイデアも盛り込まれており、壮大なシリーズの幕開けを感じさせます。そのうち映画化しそうなスケール。野崎まどのこれからかに目を離せません。

この作品は講談社タイガ文庫から出ているのですが、このタイガ文庫というのは20〜30代をターゲットとしていますが、言ってしまうと講談社なりのポスト・ライトノベル枠で、ゼロ年代あたりに活躍していたラノベ作家が多いです。僕としてはドンピシャな世代なのでこれからも楽しみです

 

世界の歴史 (3) 中世ヨーロッパ (中公文庫)

世界の歴史 (3) 中世ヨーロッパ (中公文庫)

 

        ■57冊目『世界の歴史(3) 中世ヨーロッパ』

中世史というと暗いイメージですが、あまり細部に入り込まず、それでいて挿話も含まれているのでバランスよく流れを知ることができました。この辺りの歴史上の人物は現代では想像のつかないような性格をしていて面白いですね。

 

頼むから静かにしてくれ〈1〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

頼むから静かにしてくれ〈1〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

 
頼むから静かにしてくれ〈2〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

頼むから静かにしてくれ〈2〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

 

         ■58・59冊目『頼むから静かにしてくれ』レイモンド・カーヴァー

短編の名手レイモンド・カーヴァーの初期作品集。村上春樹が解説しているようなアメリカの家長的男性的な夫像が失墜した現代の悲哀を描いた文学的ハードさというのは、僕としては魅力には映りませんでしたが、時としてその悲哀さがカフカ的不条理にも見える部分は面白く読めました。

 

 

以上。まとめて書くのは大変でした。やっぱりアウトプットは定期的に。みなさま、よいお年を。

 

2015年読書記録 42~50冊

 前回の続きです。

 

これはペンです (新潮文庫)

これはペンです (新潮文庫)

 

  ■42冊目『これはペンです』円城塔

叔父は文字だ。文字通り。

この書き出し通りの意味で小説は展開される。文字としての存在である叔父は、書くことと書かれること自体の意味を問うような手紙を送り付ける。ナンセンスな前衛小説としての記述から一転して冒険小説のような展開を見せるそぶりをした後に着地する。表題作のほかに収録されている『良い夜を持っている』は安部公房のような幻想世界を映しており、そちらのほうが好み。

 

 ■43冊目『人形式モナリザ森博嗣

すべてがFになる』がアニメ化され四季シリーズもその対象になるということで、一作目の『黒猫の三角』を読んで止めていたVシリーズを読み始めました。

シリーズ2作目である今作は探偵である保呂草潤平と自称科学者の瀬在丸紅子、大学生の小鳥遊練無、香具山紫子が長野の避暑地を訪れた先で、人形劇を鑑賞中に起きた殺人事件を解決していく。物語の展開やトリックが先読みできてしまい、拍子抜けしながら読書メータに読了を登録しようとしたらすでに読んでいたことが発覚。前に読んでいたことを完全に忘れていました。これぞミステリィ。(違う)

 

月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

 

  ■44冊目『月は幽咽のデバイス森博嗣

Vシリーズ3作目。今度こそ本当に初読です。トリックに関しては、愕然とするというか無茶苦茶というか、ある意味森博嗣らしい物理トリックでした。どうでもいいですけど舞台が自転車で10分くらいの近所でした。

 

魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)

魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)

 

  ■45冊目『魔剣天翔森博嗣

 4作目を飛ばしてVシリーズ5作目。本が手に入らなかった関係で前後しています。

僕はVシリーズで今作が一番好きです。飛行機ショーの最中にパイロットが銃殺。唯一の同乗者だったフリージャーナリストの各務亜樹良に助けを求められた探偵の保呂草は咄嗟に一緒に逃亡してしまうが、警察が彼らを追い詰める。保呂草さん大活躍の回。スパイ映画のような展開がスリリングで良いです。森博嗣の引き出しの広さに感服しました。とにかく保呂草さんがハードボイルドで格好良い。飛行中にパイロットが銃殺という新しい密室シチュエーションが斬新です。へっくんに飛行機の解説をする紅子さんも可愛いし、なんでそんなに飛行機に詳しいのか尋ねられた紅子さんの回答も衝撃的。

 

夢・出逢い・魔性 (講談社文庫)

夢・出逢い・魔性 (講談社文庫)

 

   ■46冊目『夢・出逢い・魔性森博嗣

順番が前後してVシリーズ4作目。タイトルがよく話題になりますね。殺人事件としてのトリックは大したことはないのですが、サブトリックにはまんまと騙されました。保呂草さんが終始蚊帳の外なのでそんなに好きではないです。

 

恋恋蓮歩の演習 (講談社文庫)

恋恋蓮歩の演習 (講談社文庫)

 

    ■47冊目『恋恋蓮歩の演習森博嗣

 Vシリーズ6作目。豪華客船に運び込まれた絵画を目当てに潜り込んだ保呂草潤平と、なぜか居合わせたいつもの3人。そして起こる殺人事件。殺人事件のトリックなんてあってないようなものですが、保呂草さんの手口が鮮やかで良いです。昨今のフィクションにはこういう怪盗成分が不足しているのではないでしょうか。

 

六人の超音波科学者 (講談社文庫)

六人の超音波科学者 (講談社文庫)

 

    ■48冊目『六人の超音波科学者森博嗣

  Vシリーズ7作目。このあたりになってくると瀬在丸紅子の元夫の林警部と愛人関係にある祖父江警部補がふびんになってきます。トリックに関しては特別な感想はありません。

 

捩れ屋敷の利鈍 (講談社文庫)

捩れ屋敷の利鈍 (講談社文庫)

 

     ■49冊目『捩れ屋敷の利鈍森博嗣

  Vシリーズ8作目。メビウスの輪のような構造の屋敷に保存された宝剣エンジェルマヌーヴァが盗み出される。その場に居合わせた保呂草潤平と西之園萌絵、国枝桃子。VシリーズとS&Mシリーズが交錯する一作。シリーズを読み通してきた人間ならば興奮せざるをえない展開ですが、トリックはあっさり。電話をしただけであっさり密室のトリックを解く犀川先生に「あんたは超能力者か何かか」と言いたくなりますが、ファンサービスと思っておきます。今作は四季シリーズまで読み通してから評価が変わる作品なので初読時はそれなりでした。

 

      ■50冊目『朽ちる散る落ちる森博嗣

  Vシリーズ9作目。時系列的には『六人の超音波科学者』の後で、舞台も同じ。トリックが物理トリックでよかったです。小鳥遊くんはなんでこんなに可哀想な目にばかり会うのか。

2015年読書記録 34~41冊

前回の続きです。

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)

 

  ■34冊目『東京するめクラブ』村上春樹、都築響一、吉本由美

寂れた観光地や旬を過ぎたリゾート、メインからは外れた観光名所など、「噛み続けてみれば味が出る」ような場所にスポットを当てたエッセイ集。または、村上春樹が知的な言い回しで名古屋をDISる本です。

僕は思うんだけど、名古屋という場所の特殊性は、そこが押しも押されもせぬ大都市でありながら、どこかしら異界に直結しているような呪術性をまだ失っていないところにあるんじゃないだろうか。結局のところ、僕ら(つまり名古屋市民のみならず普遍的な日本人である僕ら)自身の内部にある古典的異界=暗闇なんですね。

とまで書ききっている村上が『色彩を失った多崎つくると、彼の巡礼の年』で名古屋を舞台にした長編小説を書いたのは示唆に富んでいるわけですが、それはともかくとしてこの本はエッセイとして爆笑してしまうほどユーモアに優れています。

 

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

 

■35冊目『やがて哀しき外国語』村上春樹

また村上春樹。高校生か大学生以来の再読。なんとなく村上春樹のエッセイくらいしか読み気力が湧かなかったんです。村上春樹がアメリカに居を構えていたころのエッセイ。ひとりの日本人作家がアメリカという国に住むことについて。

 

今夜はパラシュート博物館へ THE LAST DIVE TO PARACHUTE (講談社文庫)

今夜はパラシュート博物館へ THE LAST DIVE TO PARACHUTE (講談社文庫)

 

 ■36冊目『今夜はパラシュート博物館へ森博嗣

森博嗣の短編集。初読ですが幾つかの短編は別の短編集ですでに読んでいて、面白いと感じたのはほとんどそちらに収録済みの物でした。が、初読だった『ゲームの国-名探偵・磯莉卑呂矛の事件簿1-』の手の込んだバカバカしさといったら凄すぎてひっくり返りそうになりました(比喩表現)。

ところでぶるぶる人形がふるえていた建物が僕の研究室があった建物だったので衝撃を受けました。前読んだときはまだ研究室に配属されていなかったので…。

 

職業としての小説家 (Switch library)

職業としての小説家 (Switch library)

 

 ■37冊目『職業としての小説家』村上春樹

村上春樹のエッセイ読みすぎなのでは。これは新刊だからしょうがないか。村上春樹が小説家という職業について、というよりは自分自身についてを語ります。「毎日決められた量を持久走のように書き続けていく」ことについては散々インタビューで語られていますが、作品を完成した後に何度も書き直してブラッシュアップしていくことや、アメリカでエージェントを手配した話なんかは初耳で興味深かったです。近年話題になっているノーベル文学賞について色々書いていますが、村上春樹個人としては欲しいともいらないとも明言していないあたりがズルいなあと。

 

絶叫委員会 (ちくま文庫)

絶叫委員会 (ちくま文庫)

 

  ■38冊目『絶叫委員会』穂村弘

「でも、さっきそうおっしゃったじゃねえかよ!」

人々が何気なく発した言葉や街中の記述のなかで、ふと奇妙なものに出会う瞬間がある。そんな何気ない、けど改めて考えてみれば何かがおかしい表現に着目した一冊。こういう視点を持って生きていたい。穂村弘は出身高校が同じという理由で読み始めましたが、この人が持つ『眼』に出会えたことは人生の幸運と言えるでしょう。

 

世界の歴史 (2) ギリシアとローマ (中公文庫)

世界の歴史 (2) ギリシアとローマ (中公文庫)

 

  ■39冊目『世界の歴史(2) ギリシアとローマ』

1巻を読んでから何ヶ月経ってるんだと。全て読破できるのはいつになるのやら。小説や映画などでもよく題材になる時代なので面白く読めました。

 

エンダーのゲーム〔新訳版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)
 
エンダーのゲーム〔新訳版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)
 

 ■40・41冊目『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード

翻訳がイマイチと言われていた今作が映画化に合わせて新訳版となって発売されたので読みました。面白い! 現代のフィクションに多大な影響を与えるSFの古典と言っていい作品ですが、今読んでも良質なエンターテイメントとなっています。ピーターとヴァレンタインのパートが面白く、幼い天才であるエンダーが周囲の圧力を実力でねじ伏せていく様も良いのですが、それだけでは現代まで残る強度はなかったでしょう。衛星軌道上の宇宙ステーションで子供達が集められて訓練を受ける、って大好物すぎる舞台ですね。EGコンバットしかり、トップをねらえ2しかり、宇宙のステルヴィアしかり、こういうフィクションをもっと頂きたいものです。

 

2015年読書記録 21~33冊

前回の続きです。

村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた (新潮文庫)

村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた (新潮文庫)

 

 ■21冊目『村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた』村上春樹

村上春樹のエッセイ。特に感想はありません。似たようなのがたくさんあるので…。本当に気軽に読めるエッセイです。

 

大槻ケンヂの読みだおれ―大槻ケンヂのお蔵出し〈PART2〉

大槻ケンヂの読みだおれ―大槻ケンヂのお蔵出し〈PART2〉

 

 ■22冊目『大槻ケンヂの読みだおれ―大槻ケンヂのお蔵出し〈PART2〉』大槻ケンヂ

 村上春樹のエッセイがくだらなさの主としたユーモア、坂本真綾が普遍的なあたたかみを備えたユーモアとするならば、大槻ケンヂケレン味と偏執さを武器とした面白さでしょう。同じミュージシャンのエッセイでも音楽性が見えるようで面白いですね。

 

超簡単 お金の運用術 (朝日新書)

超簡単 お金の運用術 (朝日新書)

 
知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

 
臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

 

 ■23冊目『超簡単お金の運用術』山崎元

 ■24冊目『知らないと損をする池上彰のお金の学校』池上彰

 ■25冊目『臆病者のための億万長者入門』橘玲

株式投資を始めようと思ったのは勤務中にトイレに入っているときで、「なんで俺は腹痛に苦しみながら働いているんだ」とふと憤りを感じたので楽に稼げる方法を探してやろうと思いました。

とりあえず手っ取り早くこの3冊を読んで「なるほど信託報酬が少ないETFを買えばいいのか」と早速証券口座を開設してETFを買い付けた直後にチャイナショックが起こって5万円くらい損失が出ました。現在の収益はマイナス3万くらいです。

とはいえ、当初の「楽に稼ぐ」とは程遠いですが、長期的に見れば利益は出せそうです。株式取引の仕組みは面白いし、学生の頃に元手50万円から始めて100億稼いだ伝説のネットアカウント『BTF』氏など、知らない世界を知ることができたのは大きかったと思います。

 

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

 

 ■26冊目『神の子どもたちはみな踊る村上春樹

再読。阪神大震災サリン事件に関わり始めてからの村上春樹の短編集。高校生の頃に初読した時はさらっと読み流してしまったのだけれど、今読み返すとのちの作品に通じているものがたくさんあることに気づく。表題作は1Q84海辺のカフカもそうだし、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』のヒロインである沙羅と同じ名前の少女も出ている(同一人物かは微妙だが)。

この作品集のなかでは『かえるくん、東京を救う』が好きなのですが、「ぼくは一人であいつに勝てる確率は、アンナ・カレーニナが驀進してくる機関車に勝てる確率より、少しましな程度でしょう。」というセリフで、キン肉マンテリーマンが新幹線を止めるシーンを思い出したのは僕だけでしょうか。

 

ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫)

ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫)

 
ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)

ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)

 

  ■27・28冊目『ホテル・ニューハンプシャージョン・アーヴィング

2014年で最も衝撃的だったジョン・アーヴィングの作品の中でも映画化もされた代表作である今作を読みました。ただひたすらに美しく、愛おしく、そして悲しみに敷き詰められた現代のおとぎ話でした。ジョン・アーヴィングの小説の中ではわりとバカバカしい理由で唐突に主要人物が死ぬんですが、それがご都合主義に見えないところに技巧があります。つまり、平和な日常に突然登場人物が死んでもおかしく感じないような不穏さがユーモラスな世界に満ちていて、それが物語を牽引する力になっている。個性的な家族たちはみな愛おしく、だからこそ、その盛衰が物悲しく感じます。

 

王とサーカス

王とサーカス

 

   ■29冊目『王とサーカス』米澤穂信

 「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」で2015年国内ミステリ部門1位に輝いた今作は、高校生の頃に何度も読み返した『さよなら妖精』の登場人物である大刀洗万智が主役ということですぐに読みました。2重に仕掛けられたミステリ的トリックはもちろんですが「ジャーナリストが伝える意味とは何か」ということを自問する今作は、社会派ミステリでも青春ミステリでもない米澤穂信にしか書けないテーマが描かれています。このテーマは米澤穂信がデビュー以来書き続けてきた青春の挫折−−ビルドゥングスロマンの延長線上にあるものであり、それがこのように大衆に受け入れられたということは、自らの作風を突き詰めてひたすらにその強度を増した結果と言えるでしょう。

 

株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書

株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書

 

  ■30冊目『株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書』足立武志

最低限知っておこうと思って読みました。財務諸表の読み方など。

 

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

 
アラビアの夜の種族〈2〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈2〉 (角川文庫)

 
アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)

 

   ■31~33冊目『アラビアの夜の種族』古川日出男

古川日出男の他の著作を読んだことがあればこの作品が翻訳小説ではないことにはすぐわかると思うのですが、どうも他の書評を読んでいると勘違いしている人が結構多いようで…。物語のプロットやディティールの細かさは良いと思いますが、翻訳調に徹するかと思えば古川節が出てきたりするような調性の乱れが気になりました。作中で登場人物が寝食を忘れて没頭する物語が「しょーもな」と思ってしまったので、僕としてはイマイチでした。