8月は半分くらい体調不良で臥せっていた。「夏バテ→風邪→盆休みで病院に行けずこじらせる」のコンボをここ数年繰り返している。ようやく治ってきたが未だに抗生物質を飲んでいるので完治していない。早く涼しくなってほしいが9月過ぎても暑いという予報を聞いて暗澹たる気持ちになる。
■アウトプット
ようやく重い腰を上げ小説を書き始めた。まだプロローグの最初で、全体の進捗率は3%程度。一ヶ月で3%ということは完成まで3年かかるということなのでもう少しスピードアップが必要。できるとは言っていない。
前回書いた長編小説の反省から色々と改善に取り組んでおり、技術向上を自分でも感じている。この調子で書き続けることができればかなり良いものが書けると思うが、長編のペースを保つのは難しいとわかっているので、楽観視せず焦らず書き進めたい。
■インプット
上の記事でも書いたが、色々触れてはみたものの(自分自身の不調のせいで)楽しめなかった。
<<書籍>>
東浩紀「観光客の哲学 増補版」
増補版でない通常版は2017年に既読。改めて読むと2017年からコロナを経て世界は様変わりしてしまったが、本書の主張が褪せていないことに驚く。
グローバリズムとナショナリズムが対立していた当時の二層構造を明らかにし新たな立場として提案された「観光客」という概念は、コロナ禍における反観光の時代においても主張自体は通用するが響きは悪くなってしまった(本書はガンガン観光して経済を回しつつ知見を広めようぜという主張ではない)。帯で「ゆるさ」について言及されているのはそのせいだろうか。
劉慈欣「三体」
あまりに評判が良いので期待していたのだが、今のところあまり楽しめていない。「プロジェクトヘイルメアリー」もそうだったのだが、SF以外のディティールがあまりに雑すぎる気がして没入できない。センス・オブ・ワンダーの部分が荒唐無稽であってもあまり気にならないのだが、地球外の脅威に対する超国家的な組織描写が幼稚に思えて白けてしまう。それを忘れるほど面白い「SF」になることを期待して続刊を読んでいる。
「おうち性教育はじめます」
育児本として。自分は正しい性教育を受けていなかったのだな、と思った。
<<映画>>
「RRR」
面白かった。大英帝国による植民地支配時代のインドを舞台に、攫われた村の少女を奪還するために都にやってきたビームと軍部に所属するラーマによる友情と対立が描かれる。時代背景から予想されるような暗いトーンは一切なく、同監督の前作「バーフバリ」と同じく異様な熱気とハイテンションに満ちている。バーフバリでは神話だったので展開が無茶苦茶でも「まぁ神話だしな」で済んでいたのが、今回はいちおう史実をベースにしているので色々とツッコミを入れたくなる。というか、コマンドーと同じでツッコミありきの楽しみ方をするべきなんだろうな。1時間で死に至ると言われたヘビ毒も、拷問で動かなくなった脚も、なんでも秘伝の薬草で解決するのは笑った。ヒロインのイギリス人女性は親族一同爆殺されたのにエンディングでダンスしてるところとか、武器がなくとも不屈の精神があれば人々を動かせると言っていたのに結局ラストで大量の武器を持ち帰っているところとか、まぁもういまさらどうでもいいか……。
<<ゲーム>>
「グノーシア」
面白かった。時間がループする宇宙船の中で繰り広げられる人狼ゲーム。システムとして面白かったし、ラストに向かって世界構造と物語が絡まっていくのはゼロ年代のゲーム的リアリズムの復興という感じで僕みたいな人間には刺さった。が、いかんせん僕がこの世界観に没入できず、最後まで楽しみきることができなかった。もったいないことをした。あと5年はやく出会いたかったゲーム。